むし歯になって削らなくていい歯もあるの?
むし歯は削らなくててもいい歯があるって本当?
おはようございます!マネジメント歯科衛生士の辻村香恵です。
虫歯って必ずしも削らないといけないの?あなたも歯医者に行ってこれは虫歯ですけど削らなくてもいいですよ。と言われたことはないでしょうか?
MI。MIとは『ミニマルインターベンション(Minimal Intervention)』の略で、歯の治療において、歯質や歯髄への犠牲を最小限に抑え、本当に悪くなったところだけを削除して修復する治療法です。
現在歯科界では、2000年『国際歯科連盟』によって提唱された『M.I.』の治療法が大きく浸透してきています。
出来るだけ歯を削らず、出来るだけ神経を取らず、生まれもった歯を出来るだけ残して、歯の寿命を長くすることをコンセプトとしています。
削らなくても良い虫歯治療の考え方は、実は日本で21年前から導入されていた!
エバンス教授の言っている「削らずに様子をみられる虫歯」というのは、日本では初期虫歯、初期う蝕などと呼ばれており、学校歯科検診においても「要観察歯(CO)」という名前が平成7年度より導入されました。
つまり今から20年以上も前からこの初期虫歯(要観察歯)は、削らずに適切なブラッシングやフッ素塗布、バランスの良い食事で治る可能性があるため、なるべく削らない、というのが常識になっています。
《因みに、エバンス准教授とは正しいオーラルケアとしてCaries Management System (CMS)という方法を提唱しています。これによると、虫歯を削ることなくオーラルケアする条件として「初期段階の虫歯に高濃度のフッ素塗布治療を施すこと」「正しい歯磨き方法を身につけること」「砂糖の入ったスナック菓子や飲み物の間食を控えること」「虫歯の経過を観察し続けること」を挙げており、削って詰め物をして終わりという1回キリの治療ではなく、歯科医師と協力した継続的な治療が必要だと提唱されています。
出典
虫歯を削る必要はないと判明、虫歯治療の根本概念が変わる可能性 - GIGAZINE》
削らなくてもOKな虫歯、削らなきゃNGな虫歯があります!
削らずに様子を見ることのできる、「初期虫歯」って具体的にどのくらいまでなのでしょうか?虫歯の進行状況はCO〜C4の5つのレベルで表されます。その基準によって治療の方針を決めているわけです。歯医者さんでこのような言葉を聞いたことがあるかもしれませんね。では、それぞれの基準を簡単に説明すると次のようになります。
CO(Caries Observation) ; 要観察歯(削らなく初期虫歯を疑われるもので、見た目では虫歯とは断定できないけれども、虫歯の初期症状のような所見がみられるものをいいます。「虫歯になりかけの歯」「虫歯の始まり」というような言い方もできます。虫歯の初期症状のような所見とは、歯の溝の茶色い着色や、歯の表面の白く濁った着色です。
C1;エナメル質が溶けてしまっている状態(削らなくてOK、状態によっては削る)
→歯の最表層のエナメル質が虫歯で溶けている状態です。まだ自覚症状はなく、歯の溝が茶色く変色したり、歯に白く濁った着色がみられ、小さな穴があき始めます。
C2;象牙質まで溶けてしまっている状態(削る)
→虫歯はエナメル質の内側の象牙質に達してしまっています。冷たいものや甘いものがしみ始めます。
C3:虫歯が歯髄に達している状態(削る)
→歯髄に虫歯が達するとズキズキと強い痛みを出してきます。
C4:歯冠(歯の頭の部分)がほとんどなくなった状態(削る以上の処置)
→歯がボロボロに崩壊し、歯根(根っこ)しか残っていない状態です。
削らなくていい虫歯は初期の虫歯。初期の状態の虫歯の人はとても多いのです。
COとC1が初期虫歯(初期う蝕)と呼ばれる状態です。実際、COは「虫歯になりかけ」という意味なので、C1の軽い状態と言うこともできます。しかしC1だからといって全て経過を観察しても大丈夫かというとそういうわけではありません。
C1と言ってもC2に近いレベルのC1の場合は進行してしまう可能性が高くなり、削らずに様子を見るのはけっこう厳しくなってきます。
C1の中でも、
ほんの表層のみが脱灰(酸で溶かされている状態)しているケース
穴が空いていてもそれが浅い凹みで歯ブラシが行き届いて清潔にできるケース
であれば歯が再石灰化する可能性が高いと言えるでしょう。
それに対し、歯ブラシの届かないような穴が空いているC1の場合は、その穴に虫歯菌が繁殖して、様子を見ているうちに虫歯が進行してしまう可能性が高くなります。も ちろん虫歯の進みやすさは、歯の清掃の仕方、食事の仕方、フッ素の使用状況、定期的に歯科でメインテナンスを受けているか、慢性う蝕かどうかなどによって も、大きく左右されるため、一概にすべての人に同じ基準で「このくらいの虫歯なら削らなくても大丈夫」とは言えません。
自分の虫歯が削らなくても大丈夫な見込みがあるかどうかは、かかりつけの歯医者さんに意見を聞いてみるのが一番。むやみやたらに削りたがる歯医者さんは要注意ですっ!
自分ではわからないのに、実は削らないといけない虫歯が一番怖いんです!
歯の治療に来る患者さんの虫歯の状態を見ると、一見、着色のみで穴はないのに、レントゲンを撮ると内部に大きく虫歯が黒く広がっていることによく遭遇するからです。
目視でわずかに穴があるかな?程度に感じる虫歯なのに…
内部は虫歯菌にやられ、歯は非常に柔らかくなってしまっています。
このような虫歯は大抵、内部が非常にやわらかくなっているだけで、穴は開いていないことが多いものです。もちろんこのようなケースは、内部が大きく細菌感染してしまっているので、穴がないからといって削らずに様子を見たりなどできるはずもなく、放っておくとたちまち神経に虫歯が達してしまいます。
虫歯には2種類あるということを知っている人はほんのわずか。
虫歯には「慢性う蝕」と「急性う蝕」があります。ここで触れられている、「虫歯の進行速度がゆっくりなもの」は慢性う蝕と呼ばれています。中年以降に見られる大人の虫歯のほとんどはこれにあたり、たしかにこのように数年かけてゆっくりと虫歯が進むケースが多いです。
しかし、子供や若年者に見られる虫歯の多くは急性う蝕であり、非常に進行が速いのが特徴です。このようなケースではC1だからと様子をみていると短期間であっという間に虫歯が神経に達してしまう場合もあり、注意が必要です。
子供の歯は大人違って、虫歯の進行速度が全く違う。虫歯は削らなくて様子みてればいいよと安心した瞬間に虫歯に侵食されてしまうこともあります。
「削る必要のない虫歯」を「削る虫歯」にしないために、あなたが今できること!!
削る必要がないからといって、ただ放っておくのはNGです。初期虫歯はきちんとした対処法を行ってこそ、進行を食い止めることができるのです。これはエバンス准教授も言っているように、
「初期虫歯に高濃度のフッ素塗布を行うこと
家庭での歯磨きの仕方に注意を払うこと
食間に砂糖を含んだ菓子類や飲み物を制限すること
虫歯の経過を観察し続けること」
これらすべてのことを実行していくことが大切です。つまり初期虫歯を虫歯に発展させないためには患者さんの多大なる努力が不可欠であり、歯医者さんとの長期間にわたるパートナーシップがとても大事だということです。また、「削らない」と決めた場合、虫歯が大きく広がったり神経に達するかもしれないリスクは常に念頭に置いておかなければなりません。
全ての虫歯は削らなくても済む時代が来る日を信じて…
最後にもう一度、虫歯の進行は、フッ素や正しい歯磨き、食事療法により食い止め ることができるという事実は20年以上前から日本でも言われていることです。現に、現在の日本の歯科医療では、ここで書かれているような、「なるべく削らない」治療というのがもうすでにどこでも普通に行われています。ただし、「削らない治療」というのは大変良いことなのですが、徹底した自己管理と歯科医師との連携ができなければ逆に歯をダメにしてしまうことになりかねない、ということをよく肝に命じておく必要があります。
以上になります。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
昨日は前から行ってみたかった表参道のお店に♡初めて東京の友達が出来ました♡笑
とても嬉しい♡友達の友達はやっぱり素敵な人ばかりです(^^)/ありがと!
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