嘘でしょ?これって矯正とは言えないっていう話。
衝撃的な患者様にお会いしたのでここに記します。少し、医療とは?と悲しくなったのと同時に気をつけて欲しいと思いここに綴ります。
こんにちは。マネジメント歯科衛生士の
辻村香恵です。
衝撃的!「短期間で矯正したかったので、したんです。」前歯全てがセラミック(被せもの)そして前歯がない!若いのに何が原因で今の現状なのか口腔内を診て聞いたんです。私。
私:「全て被せてありますがむし歯になって、神経とったのですか?」
患者様:「いえ、歯並びが気になったので手っ取り早くキレイにしたかったので矯正したんです。」
…え?…矯正?…待て待て…
そこで私は、調べてみました。
矯正について。
私は、自分の歯が一番だと思っていますので、むし歯でもない天然歯を大幅に削って神経をとるのはあまり賛成できなかったりします…
ですが、いろいろな歯の大きさや色で悩んでいる方は貼り付けるのもありかと思っています。また、むし歯の治療をし保険で被せものをした方がセラミックにかえることは賛成です。
ですが、矯正という名目で短期でキレイにするとなるとそれはどうなのかなと思います。神経の抜いた歯は硬くなり破折しやすくなります。
それを知っての前提で、この患者様はしたのであろうか…
と、その前に私は、勉強不足でした。
調べてみてわかったことは、セラミック矯正というのがあるということ。歯を簡単に削り、もしくは歯を簡単に抜いて隣の歯を大幅に削りセラミックで繋げる治療ということ。これはsnsで気にしてみていたら結構広告されていて、その過剰な広告、手軽にできるように見えてしまうことが原因ではないかと思いました。
と、いうことで今回は若者に大人気の歯列矯正について。
歯列矯正がアナタの歯をボロボロにする。歯科医は家族にはきっとオススメしない(と思う)セラミック矯正の闇についてお伝えしてまいりたい所存です。
今、若者を中心に流行している歯列矯正があります。
セラミック矯正。
短期間矯正などと呼ばれる治療法です。しかし、この治療法非常にデメリットが多いです。
現在日本には歯科医師が10万人程度おり、歯科医院の数は7万件程度だと言われています。特に東京都内では1日一軒のペースで廃院至っているそうです。
コンビニエンスストアの数よりも歯科医院数が多く(コンビニ数の1.6倍 2011年)、収益悪化の対策として日曜診療や深夜診療等を行う歯科医院が増加しているのです。
それぞれの歯科医院が虫歯や歯周病などの治療をおこなったり、入れ歯の調整を行うなど患者さのニーズに応じて適切な治療を行っております。虫歯治療や歯周病、入れ歯などは多くの方がイメージする歯医者さんの治療風景ではないでしょうか。
ところが、現在、消費者のニーズが拡大、多極化していく中で歯科医院も様々な治療を行うようになってきました。中には患者さんのカラダへの負担を考えずに、歯科医院側の経済的な考えを優先させ、医療とは思えない行為をしている歯科医院もあります。
今回はその中でも、
・治療初日から理想的な歯並びを手にすることが出来る。
・通常長期間かかる歯列矯正がたったの数日で終わる。
・痛みなくすぐに理想な歯並びを手に入れることができる。
など魔法のような治療方法をうたったキャッチコピーで顧客を獲得している矯正治療(セラミック矯正)の真実をお伝えいたします。
“短期間矯正”に気をつけてください。
セラミックを被せるということは、歯を大幅に削らないといけません。天然歯をむし歯でもないのに…
そして、歯並びが良くないのに歯を削るということはどこかの歯はもっともっと削り神経がダイナミックに近いか神経をとる処置をしてるってことでしょ?
セラミック矯正はアナタを生涯苦しめます。
ホントに下記のキャッチコピーを使用している矯正治療には十分注意をしてください。あなたの歯の寿命を大幅に短くします。
・治療初日から理想的な歯並びが手に入る
・わずか2時間で矯正ができる
・短期間で出っ歯が治る
・短期間で歯並びが劇的に美しくなる
・セラミック矯正、クイック矯正
・安く、早く理想的な歯並びになれる
これらの、甘い言葉には必ず裏があるということをまずは念頭にいれてください。
本物の歯科医師の先生たちはこうした治療法を決して一番に進めません。いや、出来ないんぢゃないかな。
なぜなら、
2時間で矯正が終わる=歯列矯正ではないですし、魔法のように短時間で終わるという矯正の治療法はこの世に存在していません。それはもう矯正ではありません!
では、この2時間で終わるという治療はどういったものなのでしょうか?ここに闇が潜んでいます。
あたかもメリットばかりの様なキャッチコピーがズラリ。この魔法のカラクリは?以下になります。
いわゆる短期間で矯正ができるセラミック矯正。
通常の矯正は何年も歯に矯正器具を付けて、少しずつ歯を動かす手法を取りますが、セラミック矯正(クイック矯正)は歯を削って差し歯を入れるだけですので早くて1日で矯正が終わります。
歯をどれくらい削るのかは下の写真を見ていただければ分かるのですが、前歯であれば半分くらい削っています。
まずは、こちらの画像を御覧ください。
うわ、何これ?嘘でしょ?と思いませんか?
実はセラミック矯正とはこのように健康な歯を削り、補足してその上からセラミックの歯を被せるという行為です。
この処置ですと、歯並びの悪い箇所を限界まで削り、そこを隠すためにセラミックで覆うのです。そうなると、短期間で安く“治療”ができるというカラクリなのです。
ひどい例ですと、短期間で歯並びを治せるからと実態を知らずに即決し、削られた歯を見てショックを受けてしまう方も・・・。
若いSNS世代の中にセラミック矯正経験者が増えています。
FB、Instagramなどでもよくみかけますよね。モデルさんや芸能人がやってるから、私も…みたいな。
現在、セラミック矯正を行ったという20代前半の女性が増えてきています。話を聞くと、SNSやインターネットで広告を見てやってみたという方が多いです。SNSやインターネットが若い女性達に常識になり、そこにコンプレックスを刺激する広告を載せることで矯正に踏み切る方が増えているのではないかと考えます。中には審美歯科のモニターという名目で格安で歯並びを治せるからといい、歯を削り、神経を処置してしまう方も・・・。
歯を綺麗に見せたいという目先の利益を優先させると、後々大変なことに・・・。
健康な歯を削ること、神経を処置すること、抜歯することの恐ろしいリスクを知らずにこの治療を行ってはいけません。
健康な歯を削り、神経を処理ことでアナタの歯の寿命は確実に縮み、若くして総入れ歯になるリスクは非常に高くなります。しかし、そうしたリスクやデメリットを全く知らずこの矯正方法を行った女性が非常に多いです。悲しいことです。
繰り返します。歯は簡単に削ってはいけない、神経は処置してはいけないというのが現在の歯科治療の世界共通認識です。
※警告。歯は削ったら歯の寿命が大幅に縮む。神経を処置するとさらに寿命が縮みます。
セラミック矯正やクイック矯正などは矯正治療ではなく、健康な歯を削り、神経を抜き、場合によっては抜歯を行い上からセラミックを被せる方法です。こうした意味で「矯正」という言葉を使うには違和感があります。
もし、自分の娘様が将来セラミック矯正をやりたいと言った時に、おすすめする歯科医師はいないと思います。まずは、ちゃんとした矯正をするのではないかと思います。
セラミック矯正は、歯をこんなにも削ると、この実態をしっかりと把握しなくてはいけないません。
健康な歯を削り、(歯は削ったら寿命が10年は縮むと言われています)
歯を削り、神経を摂ることで虫歯のリスクや再治療のリスクが高まります。このリスクが高まれば抜歯へと一直線です。歯は一本抜けたら驚くほどに、他の歯もつられるように抜けていきます。そして、歯が抜ければ認知症など将来を大きく左右する病気のリスクが上がることも既に研究で証明されています。
歯を抜歯すること、削ること、神経を処置することを軽視しては絶対にいけないのです。
彼女たちはこういう説明もされたうえで処置を希望されたのでしょうか。
歯を削ってセラミックを被せることで、将来歯がボロボロになるのは目に見えています。
耳障りの良い言葉には必ず、裏がある。情報武装しなければアナタの健康が失われる
明るいキーワードの裏には、隠れた意味があることがあるということです。
セラミックを使って短時間で白い歯を手に入れるという考えは非常に魅力的です。しかし、そうした甘い言葉、明るい言葉には裏があることがつきものです。そうしたことを考えず浅い知識で人生を大きく左右する決断をしてしまうことは危険です。
美容を中心に行っている歯医者は、危ない。様々な方法であなた達を誘惑してきます。お金を注ぎ込み、アナタの生活に侵入し広告を打ち、誘惑してきます。
情報が反乱し、誘惑が多いこんな時代だからこそ私たちは情報を選ばなくてはいけません。こうした、セラミック矯正のリスクをしっかりと抑えて、それでも尚且つこの方法で治療を行いたい、という覚悟のある方には有効な治療だとは思います。
しかし、私はリスク提示もせず、患者さんの歯を削り、抜歯する歯科医がいたとしたら、その歯科医を信頼することはできません。歯科医師達は自分の身内がセラミック矯正をやるとしたら、絶対に止めます。身内にやらない治療を患者さんに行うという考えが理解できません。
家族にもすすめする治療を私は患者様にしたいです。
しかし、そうは言っても歯並びが気になる方。
歯並びで迷っている方にオススメの治療への手順は
最低でも3医院程度矯正の実績のある歯科医院に相談する
実績は、日本矯正歯科学会の認定医や指導医などがオススメです。
セラミック矯正を行いたい場合は信頼できる歯科医に話を伺う。デメリットもしっかりと話してくださる先生を選び
出来る限り、通常のワイヤー矯正やマウスピース矯正などを選択しとして入れる。歯は削らない方がよい
となります。
セラミック矯正のリスク、将来的に歯にかかるお金を考えると通常の矯正を行うことよりも高くつきます。そうした利害を冷静に判断し最良の決断をすることをオススメ致します。
今すぐに歯をなんとかしたいというアナタの気持ち、お察しします。しかし、それでも健康な歯を削り、抜くことの恐怖を仕事柄、私は知っていますので考えに考え抜いて決断して欲しいと思っております。
今回の投稿の発端は、きれいな女性の患者様の口腔内が前歯がなく、ほぼセラミックで危機感が全くなく驚いたことから書きました。ホントにデメリットを踏まえ説明をしてくれる先生、医院に出会って欲しいと思います。
以上になります。
ただ、前歯のセラミックはホントに綺麗ですね。もう治療してしまった方は、定期的に歯医者に行って、クリーニングをし、噛み合わせを診てもらってください。
そして、夜、歯ぎしりをされてる方も多いと思います。破折の予防のためにもナイトガード(マウスピース)を出来る限りつけ、お菓子の袋なども歯を使って開封しないように気をつけてあなたの根っこを守ってください。
今回最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
かしこ。
0コメント