押さえておきたい歯医者の選び方!
日本全国に約6万9000カ所。
この数字。歯医者の数なんです。何とコンビニエンスストアの1.3倍の数なんです!!
場所によっては2倍だとか…意識してみながら歩いていますと何と、多いことだと正直私も思います。
いい歯医者さんを教えて欲しい!そんな、声を、よく聞きます。昨日、お会いした方も新潟の方で「歯は本当に大切で噛みあわせがズレると顔の筋肉、身体がゆがむし、私は、相当歯にお金もかけてるしこれ以上削りたくない」と、続けていろいろと私が歯についてお話をしましたところ「こんなにも、自分の話を聞いて理解してくれたところは今までにないな」と。
なかなか、診療時間内で真剣に患者さまのお話を聞いてくださってるところって少ないのかなって私も、思います。
前にもお話をさせて、頂きましたが保険内で診療しているところは、どれだけ多くの患者様を1日で診るのか。ですから…
因みに、私の職場では初めての方は1時間かけてお話を聴き、資料もとらさせて頂いております。
こんばんは!マネジメント歯科衛生士の辻村香恵です。
いい歯医者さん。いい歯医者さんとはいったいどういう歯医者さんでしょうか。
今の患者さまも「旦那様が歯医者難民になっていて…こちらを紹介させて下さい!」と言って下さりました。
男性の方はお仕事もありなかなか来院しにくいですよね…
またこの辺りのことは別の機会に…
みなさん、歯医者さん選びってどうしていますか?
・駅から近くてアクセスしやすい所
・治療期間が短くて済むところ
・痛くない治療をしてくれるところ
・クリニックの外観や内装のいいところ
・ドクターやスタッフの感じがいいところ
他にもいろいろあると思います。今までかかってきた歯医者さんにいい思い出のある人、残念ながら悪い思い出のある人・・・それぞれだと思いますが、一口に歯医者さんといっても治療やお口のケアの内容によっていくつかの専門にする分野が分かれていて、それぞれ特徴があるのです。
いろいろある歯医者さんの中から、あなたに合った歯医者さんに出会えるようにお手伝いしたいと思います。
良い歯医者さんを選ぶ上で大切なポイント!
①説明をしっかりとしてくれる
たいていの治療には選択肢が複数あるものです。もちろんこれは歯や歯茎など口の中の状態によって個人差があり同じ人はいません。治療に対する希望もそれぞれに違うため、患者さんの意向と治療の方針について具体的に話し合いお互いに納得して治療を行うことがとても大切なことだと考えられています。また、患者さん自身が十分理解し納得しているという心理状態にあることは治療の成果にも影響して信頼関係も生まれます。疑念の中で行われる治療はよい成果を産み出さないのです。治療後のトラブルを避けるためにも、こういった説明や話し合いはとても大切なことといえます。
インフォームド・コンセントやインフォームド・チョイスを大切にしている歯科医院も上記と同様良い歯医者さんである可能性が高いです。
インフォームド・コンセント
⇒医師が患者に対し症状や治療方針をわかりやすく説明し患者の同意を得ること
インフォームド・チョイス
⇒インフォームド・コンセントを受けた上で患者さんが自分自身で治療内容を選ぶこと
このような、治療の方針や治療内容の説明、さらには治療の方法を患者が選べることは良い歯医者さんの条件になります。
しかし、一方で日本の保険制度上1人の患者さんに時間を多く割くことが出来ないという事実もあります。
②院内が清潔
まず玄関を入ってすぐの靴や待合室、雑誌棚、トイレ、受付などがきちんと整えられていなければ誰でも不信感を持ちますね。診療室内も治療台が薬液のシミだらけだったりホコリがたまっているのもいただけませんね。
また、お口をゆすぐ台(ユニット)が汚いのもしかりです。
今では少なくなったと思いますが以前はエプロンなどの使い回しもよく見受けられました。こういった使い回しは削りカスや唾液、血液など目に見えない付着物がついているため非常に不潔です。また、口腔外バキューム(口の外に飛び散る粉塵や水分、唾液などを吸引する掃除機のようなもの)を設置している歯科医院も増えてきました。少し大きな音がするためびっくりする患者さんもありますが、こういった設備は飛び散ったものが原因で起こる二次感染や健康被害を極力減らすための設備投資ですので設置しているところの院長先生はかなり患者さん想いだといえます。
使い回しなどせずに滅菌器、超音波洗浄器、高圧蒸気滅菌器、などを導入している歯科医院は良い歯医者さんである可能性が高いです。
③予防に力を入れている
症状にもよりますがすぐに、歯を削らずにまずは、クリーニングからと、徹底している歯医者は良いと言えます。
また、歯は人体の中でも唯一の再生のきかない組織です。つまり、歯を一度でも削ってしまったら二度と元には戻らないのです。そうした歯の特性を理解している歯科医師にとって、出来る限り患者の歯を削りたくないというのがホンネです。歯科医師が削って詰め物をすれば、治るじゃないかと思うかもしれませんが、それは違います。治るではなく代用ですよね。どんなに腕の良い歯科医が治したとしても、歯と詰め物の間には細菌が入り込む余地のある段差が出来てしまうのです。ですから、保険の金属よりも時間をかけて緻密に作られるかぶせものが良く、セメントも良い物を使っています。
虫歯や歯周病は決して完治とは言えない病気です。これらの治療は健康な状態に戻すのではなく問題なく使える状態に修復している、あるいは進行を食い止めている状態だと思ってください。確かに治療をする方が歯科医院側としては点数が上がり収入には直結します。でも、それは医療の精神・本質とはかけ離れてしまいます。医療とはすべての人の健康を守ることが基本です。その精神に基づき予防に力を入れている先生なら生涯を通じてホームドクターとして信頼できるのではないかと考えます。それに予防を大切にする先生はむやみに歯を削らない先生も多く、歯の寿命を長持ちするために惜しみない努力してくれることでしょう。
医療の本質を抑え、予防を大切にしている歯科医師こそ本当によい歯医者さんだと言えます。
④チーム医療が出来ている
歯医者さんに入って最初に接してくれるのは受付です。まずそこで第1印象が決まります。受付の対応に続き歯科衛生士や助手、歯科医師と話をすることになりますが、問診で聞かれた内容を別な人にまた聞かれた、という経験はありませんか?また1から話すことになりウンザリ、それ前にも伝えたのに、という歯科医院ではスタッフ間の連携がうまくできていないかもしれません。
また患者さんから見て気になるのが先生とスタッフとの関係や動きです。手順よく無駄のない治療で円滑に終わることもその目安となります。先生とスタッフの関係がよい歯科医院では笑顔が絶えないところが多く清々しいものです。逆に先生の叱責する声や不機嫌さが表れていたりスタッフがバタバタとしている様子ははたから見ても気持ちのよいものではありません。
同様にスタッフがコロコロ変わり定着しない歯科医院も注意が必要です。
スタッフ間のコミュニケーションは少人数であればあるほど難しいと痛感しています。
ですから、すぐに、辞めてしまう歯科助手、衛生士が多いのだと思います。
⑤痛いところだけでなく、口全体を診てくれる
痛みの原因を究明し治療を施すのは歯医者さんの役目ですが、口に関するさまざまな病気や不具合からくる体の不調を改善することも大切な仕事です。例えば噛み合わせひとつをとっても、ほんのわずかなズレから肩凝りや頭痛、顎関節の痛みなど口とは関係のないところに症状が出ることがあります。
また虫歯や歯周病の細菌は心臓病や脳出血などの重い病気を誘発するということもわかっています。これまで比較的後回しにされていた歯科治療が健康に大きく影響することを意識した診療方針が今後の歯科に求められているのです。ですからその考え方に基づきその場しのぎで痛いところを治すだけでなく、そこから予測される体全体に起こる不調も視野に入れた治療方針を具体的に説明してくれる歯科医院なら安心してお任せできるでしょう。
対処療法だけではなく、原因療法が歯科に求められています。
⑥患者の予算を考てくれる
歯科医院は一般的には保険を使った治療を受ける人がほとんどです。しかし、中には保険が適用されない治療があり、費用もかなり高額になります。
セラミックを使った被せものやインプラントなどがその一例ですが、他にも義歯(入れ歯)にも保険で作れるけれど自費で作るタイプのものもあります。確かに自費で作るものは材料や高い技術を要するためどうしても高額になってしまいます。もちろん経済的に余裕のある人ならいいでしょうが、いくらいい治療でも何十万円もの大金をいきなり請求されると困りますよね。
自費でできる治療にはほとんどの場合保険でも何かしらの治療法があるはずです。治療が進む中できちんとメリットデメリットの説明を受けさらに費用も明確にした上で決定することが大切です。こういったお金に絡む説明をきちんとしてくれない歯科医院は避けましょう。
中には歯科医にノルマを設け、強引に高価な治療を行わせようとする歯科医院もあると耳にしたことがあります。やけに営業営業しているなと感じたり、高額な治療を提示したにも関わらずこちらの質問に曖昧な歯科医院など注意が必要です。
これは、医療人として頭が痛いです。
勿論、お金も大切ですが患者様のために、節度をもって勘違いされないように、治療に専念して欲しいものです。
ほんと、お口の中を診て悲しくなる患者さまをみたくないです。
⑦歯科治療におけるホスピタリティーを持っている。
そもそもホスピタリティーとはおもてなしという意味があります。歯科におけるホスピタリティーとは点数や報酬などの金銭的な面には関係なく患者さんに心からの安心と喜びを与えることを重視した最善の医療を提供する考え方といえます。
ただ医療人であると同時に、患者さまと同じように日々生活する人でもあるわけで、いらいらしたり機嫌の悪い日もあれば、そうでない日もあるかもしれません(勿論そうした感情を患者さまに向けるのは間違えています)。また、報酬を増やすことに重きを置いて診療をする歯科医院があるのも事実です。自分の感情や利己主義に囚われた歯医者さんでは治療回数が無駄に伸びたりなんの説明もなく高額な治療費を請求されるなどのトラブルが起こることがあるかもしれません。また、患者さんがドクターやスタッフに気を使って委縮してしまうような歯科医院は問題だといえます。
悲しいことですが、中には自分が王様・女王様のように振舞っている歯科医がいることも事実です。何かを販売する担当営業やまわりの方から“先生”と呼ばれるうちに勘違いしてしまったのかもしれませんね。
⑧拡大鏡を使用している
歯の治療は非常に繊細かつとても狭い空間での作業となります。そのため指先の感覚と目で見る視覚によって行われることも少なくありません。熟練の技といえばかっこいいのですが…。
そこで近頃の先生方が良く使われているのが拡大鏡です。スタンド型でモニターを見ながら治療をするものや頭から被るヘッドギア型もあります。倍率もさまざまで治療に応じて倍率を変えて使う先生もいらっしゃいます。この拡大鏡の普及によって治療の精度が格段に上がったといえるでしょう。実は歯科衛生士用の拡大鏡もあるんですよ。もちろんまだ導入していない歯科医院もあります。
技術や経験は長年の積み重ねであり拡大鏡がないからダメな先生とはいえません。ただ、どちらかといえばやはり拡大鏡を使って治療をする方が確実に精度が上がるのも確かです。
私も、拡大鏡を使用してクリーニングをしていますが、細かなところまでよく診えます。見える範囲の歯石の取り残しはほぼないと思います。
⑨治療に適した設備を導入している
歯科医院って治療を行う際にはいろいろな機材を使います。一般的に使われるものとしては、拡大鏡やX線撮影(小さいデンタル撮影や顔の下半分を写すパノラマ撮影など)があげられますが、それ以外にも個々の歯科医院によって導入されている機器が違います。
例えば
インプラントや親知らずの埋伏抜歯などに活躍する歯科用CT
虫歯の大きさにはダイアグノデント(レーザーを使った虫歯の測定器のようなもの)
本格的な矯正治療にはセファログラム(頭部X線規格撮影、頭・顔・顎などの骨の状態がわかるX線写真)やナノヘキサグラム(顎の動きを解析する装置)
根管治療にはラバーダムやマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)
アマルガムの除去にはラバーダムや口外バキューム
などがあります。その他多くの最新機器が開発されていて、それぞれの先生の治療方針やコストとの兼ね合いなどによって導入されています。このような立派な機器は精度の高いものが多いため難しい治療の成功率が格段に上がったのは事実です。しかし、その反面保険が適用されず自費で高額な費用がかかるものもあります。治療を始める前にきちんと説明して患者さんの意向を確認しお互いに同意したうえで治療を開始してくれる先生なら信頼できるといえます。
⑩消毒・滅菌を行なっている
滅菌という言葉はあまり知られていませんが、例えば大学病院や私立病院のような大きな病院では滅菌課があるほど重要な要素です。滅菌は患者さんと医療スタッフ全員の院内感染対策のためには欠かすことはできません。
一般の歯科で滅菌が行われているかどうかを確認する方法としては、まず治療に使う機材がそれぞれ専用の袋でパックされているかを見ます。治療を始める前にはじめてそのパックをあけて使っていればまず大丈夫でしょう。もちろん滅菌できない器具もありますがそういったものは別な方法で殺菌消毒を行っていますので心配な時はスタッフに遠慮なく確認してください。
実はひとつひとつのパッキングは非常に手間と費用がかかります。それでもそれを怠らずきちんとしている歯科医院なら信頼していいといえます。歯科治療は容易に出血しますしたくさんの細菌がいる口の中に直接触れる治療です。したがってこれらのものが付着した器具器材を使い回しすれば、院内感染のリスクが上がることは容易に想像できます。絶対的に避けなければならない院内感染のためにも滅菌は怠ってはいけません。
院内が汚れていたりところどころ汚い歯科医院はスタッフ教育が行き届いていない可能性が高いです。そうした医院はある程度の滅菌は行っているはずですが最小限にとどまっているかもしれません。
例えば治療台の上に歯を削る小さなバーが何本も立てたままであれば、そのバーは滅菌されていない可能性があります。滅菌にズボラという言葉は当てはまらないように思いますが、滅菌という工程は機器の寿命が短くなるとも言われていますのでどこまで滅菌を徹底するかは院長の判断に委ねられるといえます。そもそも院内の清掃をきちんとしていないスタッフであれば滅菌に対する考え方も徹底されていないこともあります。
⑪ラバーダム、口腔外バキュームなど患者さんのための設備投資を行なっている
ラバーダムとはゴムのシートで患者さんの感染などを防ぐものです。混合治療にも触れてしまうのでここでは深く触れませんが、患者さんのためを考えた設備投資になります。
口腔外バキュームとは治療中に飛び散る粒子などを吸い取る機械であり、これによって院内の環境が良くなります。また、飛沫感染のリスクを下げるとされています。
このようなラバーダムや口腔外バキュームなど細かな点まで患者を気遣った歯科医院は妥協無く歯科治療を行なってくれる可能性が高いです。
正直これら全てを網羅する歯医者さんは中々ないと思います。また、行いたいものの医院の状況などでどうしても行えない歯医者さんもあると思います。
しかし、このポイントを追い続けることは非常に大切なことです。
現在、歯科業界は歯科医院過剰問題や歯科技工士勤務形態のブラック化など様々な苦境に立たされています。しかし、こうした時だからこそ本来の医療のあり方を今一度見直し、より良い治療を患者さんに提供する歯科医院が生き残ります。そして、患者である私達もそうした歯科医院に報いる必要があります。医療人として当たり前のことを当たり前にしていきたいものです。
歯科医院と患者の距離が今よりも縮み、お口の健康から、より質の高い人生へと繋がることを願ってやみません。素敵な魅力的な笑顔になりますように。
お昼寝timeだにゃー
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