歯周病菌が関係する全身疾患④「骨粗鬆症」
「骨粗鬆症」との因果関係にも要注意。
おはよございます。マネジメント歯科衛生士の辻村香恵です。
歯周病菌は骨粗鬆症にも影響します。
「骨粗鬆症」とは?
骨の密度が低下してスカスカになり、全身の骨が脆くなる病気です。
日本では約1100万人以上いると推定されていますが、その多くは高齢者や女性です。
90%以上が女性なのです。
特に女性は「エストロゲン」という女性ホンモンが急激に減少する閉経期から患者数が増加し、75歳以上になると女性の50%以上が骨粗鬆症になります。
おばあさん、2人に1人の割合です。
閉経後骨粗鬆症の患者さまにおいて、歯周病が進行しやすい原因として最も重要と考えられているのが、エストロゲンの欠乏です。
エストロゲンの分泌が少なくなると、全身の骨がもろくなるとともに、歯を支える歯槽骨ももろくなります。また、歯周ポケット内では、炎症を引き起こす物質が作られ、歯周炎の進行が加速されると考えられています。
多くの研究で、骨粗鬆症と歯の喪失とは関連性があると報告されています。
したがって、閉経後の女性は、たとえ歯周炎がなくても、エストロゲンの減少により、歯周病にかかりやすく、広がりやすい状態にあると言えます。
また、骨粗鬆症の薬としてよく用いられるビスフォスフォネート製剤(BP系薬剤)というのがあり、これを服用している方が抜歯などをした場合、周囲の骨が壊死するなどのトラブルが報告されています。歯周病でぐらぐらしているから自分で抜く、などということは絶対に行わないようにしてください。
歯周病と骨粗鬆症の関係として、骨粗鬆症の人はそうでない人に比べて、歯周病のリスクが高いことが知られています。
骨粗鬆症が直接的に歯周病を引き起こすわけではありませんが、全身の骨がもろくなると、自ずと歯を支える歯槽骨ももろくなります。
したがって、骨粗鬆症の人は特に歯周病に注意しなければなりません。
近年、骨粗鬆症に伴う歯周組織の変化や影響に関する研究が進められています。歯の治療のために撮影したエックス線写真から骨粗鬆症の兆候を発見できるなど、骨粗鬆症と歯周病の関係性は今後の研究に期待が寄せられています。
上記を踏まえますと、おばあさんは歯のクリーニングは必須と言えますね。
身内とか身近な大切なおばあさんのために、歯のクリーニングの大切さをお伝え頂けましたら幸いです。
0コメント