何故日本人の歯は悪いの?
なぜ、日本人だけが年を重ねる毎に歯を失っていくのか。世界から取り残された日本人の歯。
こんばんは。マネジメント歯科衛生士の辻村香恵です。
さて、さて本日は何故日本人の歯は悪いと言われるのかについてお話をしたく思います。
日本人の私達は、年を重ねるに連れ歯がなくなっていくのが当たり前だと思っています。
しかし、世界からみますと年を取るにつれて歯がなくなるほうがむしろ珍しいのです。なぜ、私達日本人の歯はなくなっていくのでしょうか。
「8020運動」というものがあるのをご存知でしょうか。
このプロジェクトは日本歯科医師会が進めているプロジェクトで日本の命運を大きく握っているプロジェクトなんです。
8020。つまり、80歳までに20本の歯を残そうというプロジェクトです。
え、20本の歯を残すってどういうこと?むしろ、残らないの?って思ったアナタ。ありがとうございます!解説させてください。
日本人の残存歯というものは、年を重ねる毎に減っていくのです。
え?何故?嘘でしょーーーーーーー!!!
そう思いました「アナタ」続いて読み続けて下さいませ。
80歳で私達の歯は何本残っているの?
歯は何本残っている?28本?20本?
実は・・・
80代で残っている歯の平均は6.78本。
え?嘘でしょ?何でこんなに歯を喪失するんぢゃーい!
つまり、日本人。80代の私たちには上下3本ずつ程度しか歯が残っていないのが平均なのです・・・・。
え?嘘でしょ?
まぁ、年齢を重ねたらしょうがないか。老人って歯も年をとるわけだし・・・。とお考えの方、ありがとうございます。
こちらを御覧ください。
欧米の老人と日本の老人の歯の残存数の比較です。黄色が日本、緑が欧米。
こちらを御覧ください。
欧米の老人と日本の老人の歯の残存数の比較です。黄色が日本、緑が欧米。↑
欧米諸国は80代になっても歯が残っているのです!その差は欧米人20本に対して、日本人7本。約7倍の差です。
言われてみれば、日本の老人と欧米の老人の表情からして違う事に気が付きます。
海外の映画やドラマを観ますと、老人の違いについて分かります。
あなたも海外の映画やドラマを見るときに歯を意識してみてみてください。
では、本題。
歯がある人、そして歯がない人にはどんな違いがあるのでしょうか。そして、なぜ私達日本人の歯は失くなっていくのでしょうか。
日本人の歯に決定的に欠けているもの、それは・・・
実はとても簡単なのこと。
私達日本人は歯が再生しないということを理解せず、治療に次ぐ治療を行っているからなのです。
虫歯があったら当たり前に削って治療する。
当たり前なのですが、当たり前ではございません。
私たちにとって当たり前の治療のサイクルが、実は、歯がない日本人を生み出しているのです。
私達、日本人が行ってきた治療サイクルでは50歳で歯の寿命がなくなる。
アナタもきっと、こうした治療を行っているのではないでしょうか?
そんなこと、知らないわよ。ではすまされません。
私達はむし歯を簡単に治療し、削り、詰めものをするという治療を行ってきました。しかし、歯という組織は
カラダの他の組織と違って、治療をすればするほど寿命が縮んでいく再生の効かない組織なのです。
現代の日本の歯科が行っている歯の治療サイクルが歯の無い日本人を生み出していたのです。
むし歯が大量に発生していた高度経済成長期の日本では歯科医院に行列ができ、歯医者は一日中むし歯の治療をしていました。次から次へのむし歯を削ることが善しとされていた時代でした。
ですから、個別部屋ではなくオープンで、先生が行き来しやすいように、すぐに治療にとりかかれるような診療所でした。
欧米では、個別部屋です。
そして、歯がある人が持っている習慣がたります。それは・・・
歯がある人、ない人がこの世にはいます。日本人80代の残存歯数が7本程度ということをお話しをさせて頂きましたが、中には総入れ歯の方もかなりいらっしゃります。これはあくまで平均値なので、0本しか残っていない人もいます。
そして、逆に80代になっても全ての歯が残っているという人もいるのです。この両者の差は、実は1つの習慣の差なのです。
その差とは、ずばり。
予防の習慣です。
歯が悪くなる前に事前に防ぐ習慣が、歯がなくならない人に共通することなのです!
ほとんどの人にとって歯医者は痛くなったり、何か不具合が起きてから行くところという認識ではないでしょうか?
「歯医者に行く」と言うと、「どこか悪いところがあるのかな?」「大変だね・・」などネガティブなイメージを持たれがちです。
確かに、歯医者は歯やお口のトラブルを治す大事や役目を果たすところです。しかし、虫歯でダメになって削った部分や歯周病で失われた骨を元のように「治す」ことはできないのです。予防歯科は本当の意味で健康的なお口を保つために、虫歯や歯周病に「なってから」の治療ではなく、「ならないようにする」ための治療のことをいいます。
歯が残っている欧米では、予防歯科に対して国を上げて取り組んでいます。
ヨーロッパでは長年の予防歯科への取り組みの結果、良好な結果が出ています。
例えば、予防歯科先進国であるスウェーデンでは現在、世界でもっとも虫歯や歯周病にかかっている人が少ない国として知られています。
かつては日本のように多くの人が虫歯や歯周病で歯を失っていました。それを重く見たスウェーデン政府はそれまでの対症療法的な歯科治療に代わって予防歯科の重要性を全面に打ち出し、1970年代から国を挙げて予防歯科の取り組みを始め、国民全員が予防歯科を受診することを義務化しました。
乳児から歯科が身近なスウェーデン。
スウェーデンでは20歳未満の国民は歯科検診やクリーニング、治療などを無料で受けることができ、乳児でも歯が生え始める頃から歯科医院での検診が義務付けられています。そのため、スウェーデンの国民は幼少時から歯科医院に通い慣れ、歯科を「怖いところ」という認識が少なく、定期的に歯科でクリーニングやメインテナンスを受けて歯の健康づくりをするのが当たり前という人が多いようです。
日本では、歯医者にはもっとも行きたくないところであり、怖いイメージが強いと思います。
私も、歯の治療は本当に怖い。笑
麻酔も怖い。削るのも怖いです。私。
ですが、ヨーロッパのこのような取り組みの良好な結果を反映し、また、1990年代ころから、歯科疾患と全身の健康との関連性が明らかになってきたということもあり、日本でもようやく近年予防歯科への取り組みが活発化してきました。
少しずつ進化してきている日本の歯科業界。
ひと昔までは、歯科治療といえば「悪くなってから治療する」という考え方が一般的でした。しかし、歯の虫歯や歯周病などの病気に関しては、治療してもとどおりになるかというと残念ながらそういうわけにはいきません。
例えば虫歯の治療において、虫歯で削ったところは「詰めれば大丈夫でしょ?」と思われるかもしれませんが、一度削って詰めたところはどんなに精密にできた詰め物を入れたところで、必ず目に見えない程度の段差ができますし、また年数が経ってくると材料や接着剤の劣化などで隙間が開いてきます。するとそこから虫歯ができてしまいます。
まずは定期検診を取り入れることが何よりも大切。
私達日本人は予防の習慣がないため、治療を繰り返し歯を失ってきました。ですので、予防の習慣を持ちましょうということでした。
予防の習慣とは、歯科医院に定期的に行くということです。定期的なメンテナンス(3ヶ月〜6ヶ月に一度数千円で済みます。また、痛くないです)に行くことでアナタの歯の寿命を大きく伸ばすことができるのです。
定期検診を受けている人、定期検診を受けていない人ととでは、生涯の歯の残存本数は驚くほど変わります。
歯科への思考を変えることで行動に変化が訪れ、やがてそれは習慣になる。歯科に関する習慣を変えることが日本人全員に求められている。
定期的に歯科検診をうける習慣をもつことで自分の口の中のわずかな変化や症状に敏感になります。治療をする前の予防と治療をしてからの対策とでは、ニュアンスが違いますが、どちらも再治療を減少させるための根幹となる考え方であり、この意識を定着させることが重要だといえるのです。
まずは、良い歯医者さんと出会い(ここ重要!!)、自分の歯を客観的に認識すること。そして、プロの行ってもらうケアと自宅で行うケア(歯科医院で磨き方や何を使用したらいいのか、または、歯磨き後についても教えます)を行うこと。この両軸が出来上がることで、アナタの歯がいつまでも健康になるのです。
口は命の入り口だと言われています。食べ物然りです。そのお口が細菌まみれだとカラダ全体に不具合が生じるのは当然なのです。そして、パートナーがいらっしゃる方は相手にも悪影響を与えます。
自分の健康だけではないのです!
今からでもまったく遅くありませんので、将来の自分自身のカラダのために、パートナーのために。まずは出来ることから行なってみてはいかがでしょうか。
以上になります。いつも最後まで長い文章を読んで頂きありがとうございます。今回は予防をテーマに書かせていただきました。
何故、歯を抜くことになるのか。
それは、歯医者にいかず放置しているから。
定期的に信頼できる歯医者さんに出会い、予防(クリーニング)をして欲しく思います。
失い、気づいてから気づくこともありますが、分かっているのであれば失いたくないですよね。
自分の歯が大切なんだよ!って、強く思います!
美しくいきましょ。
1コメント
2018.03.05 14:26