これで、あなたも丸分かり!歯の漂白!(ホワイトニング)

こんばんは!マネジメント歯科衛生士、東京医科歯科大学非常勤講師の辻村香恵です。

さて、今日は、漂白の作用機序についてお話をしたく存じます!!

そもそも、ホワイトニングってなんぞ?
大丈夫なの?って思っている貴方、または、もっと詳しくホワイトニングについて知りたかったという貴方!

ちゃんと、目を開けてしっかり読んで下さいね!笑

それでは、いきます。
まずは、
1)歯を白くする2つの方法〜明度を上げるのがホワイトニング〜

1⃣歯の「白」という色の「濃度」を上げる

ダイレクトレジンボンディングやセラミックスなどを使います。ただし、濃度を上げれば上げるほど明度は失われるため、透明感のない不自然な色になります。便器のようなね。

2⃣歯の「明度(透明感)」を上げることによって白くする

ホワイトニング(漂白)はこの方法です。ホワイトニングを強力に行っても、明度が上がるだけなので、不自然な白さになることはありません。

さらに、さらに、詳しく述べていきますね!

漂白の歯に対する作用効果には、次の3種類があります!!

①pHが低い(pH5.5以下)漂白(ホワイトニング)剤の場合、エナメル質が一時的に脱灰されます。歯の表面が脱灰されることでエナメル質の表面に凹凸ができ、光が乱反射して、歯が白くなったようにみえます。ただし、この現象はエナメル質が再石灰されることで、色調がもとに戻ります。オフィスホワイトニングが開発された当初、オフィスホワイトニングの後戻り(色戻り)が早いとされていた一因です。
②漂白(ホワイトニング)した直後は、エナメル質表面の水分が失われることによって、乾燥状態になり、一時的に白く見えます。この現象はペリクルが再生される数時間後には消失します。

③過酸化水素が分解する時に発生するフリーラジカルが着色有機質の二重結合部分を切断し、低分子化することによって、エナメル質および象牙質中の着色を無色化し、明度をあげて白くします。

現在では、③が漂白(ホワイトニング)効果の主な機序と考えられています。

作用機序について、もっと詳しく分かりやすく伝えて、いきます!!!

•因みに、フリーラジカルとは‥不対電子をひとつ、またはそれ以上もつ分子・原子のことです。

すべての物質は分子から成り立っていますが、その分子は原子核と電子からなる原子の組み合わせによって構成されています。通常、分子の中の電子は2つが対をなして安定して存在していますが、その電子が対をなさず、ひとつだけ離れて存在することがあります。このような対をなしていない電子(不対電子)を持つ原子や分子をフリーラジカルと呼びます(単にラジカルとも呼ばれる場合もあります)。
活性酸素と混同されてしまうことがありますが、活性酸素の中には不対電子を持つものと持たないものがあります。
スーパーオキシドやヒドロキシラジカルはフリーラジカルですが、一重項酸素や過酸化水素はフリーラジカルではありません。ラジカル(過激な)という言葉通り、電子が足りないために不安定で、反応しやすいという性質をもちます。

ぬぉ、ちょっと、化学は小難しいですね。

先にすすみます。

2)フリーラジカルが歯の色素を無色化する
漂白(ホワイトニング)に使用される薬剤は原則として、オフィスホワイトニングが過酸化水素、ホームホワイトニングが過酸化尿素です。
ホームホワイトニングに使用される過酸化尿素は、約1/3の過酸化水素と約2/3の尿素に分解されます。尿素はアンモニアと水に分解されて排出されますが、10%の過酸化尿素からは3.6%の過酸化水素が発生し、これが漂白(ホワイトニング)に直接関与します。
オフィスホワイトニングの過酸化水素とホームホワイトニングの過酸化尿素から発生した過酸化水素は、時間とともに水と酸素に分解されます。
このときの条件がそろうと、フリーラジカルが生成されます。フリーラジカルは水素イオン濃度(pH)などによって O−2 •(スーパーオキサイドアニオン)、H•(水素ラジカル)、•OH(ヒドロキシラジカル)、HOO•(ヒドロペルオキシルラジカル)、などとなります。

が、このうち•OHとHOO•が漂白(ホワイトニング)に関与します。

エナメル質内に存在する約4%の着色有機質は二重結合を含んだ炭素環状構造です。
•OHとHOO•は不安定な電子をもっていますが、この電子が安定性を得るために着色有機質に含まれる二重結合部分の電子と結びつき、二重結合を切断、薄い色の不飽和構造になります。
さらに、この不飽和構造の二重結合が切断され低分子化、親水性の無色素構造となり、その結果、明度が上がって歯が白く、なります!!!

漂白効果(ホワイトニング効果)を上げるためには、フリーラジカルを多く生成させることが重要になります!


さて、そんなフリーラジカルを効果的に生成させるコツは次のような方法になります!

①pHを高くする(アルカリ性にする pH9.5〜10.8)→•OH、HOO•の生成を
促す
②光を当てる(プラズマライト、レーザー、ハロゲンなど)→過酸化水素の分解を促進させる
③温度を上げる→過酸化水素の分解を促進する。10℃の上昇で早さが2倍になる
④漂白時間を長くする→過酸化水素の分解量を増やす
⑤過酸化水素の濃度を上げる→生成されるフリーラジカルの量を増やす
⑥触媒を加える(二酸化チタン、鉄、窒素など)→過酸化水素の分解とフリーラジカルの生成を促す

以上このような6つのことを組み合わせることによって、より早くより白く、効率よく効果的に漂白(ホワイトニング)することができます!!!!!

と、もっとも重要なこと!
漂白(ホワイトニング)効果をあげるには、漂白(ホワイトニング)の阻害因子である歯面の着色やバイオフィルム、歯石など取り除くクリーニングすることが重要になります!

ですから、私は毎回、毎度、耳が痛くなるほどに笑
クリーニングの大切さを伝えております。

以上!漂白(ホワイトニング)の作用機序になります!
如何でしたでしょうか?
小難しい化学もあるのですがお分かり頂けたかとおもいます。

それでは、またお会いしましょう!最後までお読み頂きありがとうございました!



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東京医科歯科大学非常勤講師。 マネジメント歯科衛生士先駆者。パイオニア 。口腔内の健康と美は全身の健康と美に繋がっています。 1人でも多くのきれいになりたい方、口腔内の健康と美にお役に立ちますように…♡ 趣味︰読書、三味線、歯、身体を動かすこと、海

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