よく患者様に聞かれる質問。あなたはどっち?「歯ブラシとフロス、どっちから先に使うべき?」
歯ブラシが先?フロス(糸ようじ)が先?
「どっちが先なのーーーーー?」ホわーい??
おはようございます!マネジメント歯科衛生士、美容家、東京医科歯科大学非常勤講師の辻村香恵です。
歯ブラシかフロス(糸ようじ)。どちらを先に使うべきか。ちゃんとエビデンス(論文)がありますので、お伝えしまーーす!
歯ブラシとフロスの使用順序について研究した論文
歯間部プラークの減少とフッ化物保持におけるブラッシングとフロッシングの順番の違いによる効果:ランダム化対照臨床試験
『Journal of periodontology』
という論文があります。
この研究は、歯ブラシ→フロス、フロス→歯ブラシのそれぞれの順番で口腔清掃を行う場合、どちらの方が歯間部プラークを除去できるのか。また、どちらの方が歯間部にフッ化物が残るか。ということを調べています。
この実験はどんな方法で調べたのか?
まず、25人の歯学部生に48時間ブラッシングを中止させました。
その後2週間は、歯ブラシをしてからフロスを使用し、次の2週間は、フロスをしてから歯ブラシを使用して口腔清掃を行わせました。
それぞれの期間の前後に、デンタルプラークインデックスとフッ化物濃度を計測し、その結果を比較しました。
歯ブラシとフロス、どちらから先に使うべき?
この実験では、先にフロスをした方がいいという結果に!
歯間部だけでなく全顎的にも、フロスをしてから歯ブラシを使用する方が、有意にプラークが減少するという結果が出ました。
しかし、歯頚部のプラークについては、2グループ間で有意な差はなかったようです。
また、フッ化物濃度については、歯間部において、フロス→歯ブラシの順番の方が有意に高かったようです。
(因みに「有意」とは…統計学の用語で、“確率的に偶然とは考えにくく、意味があると考えられる”ことを指します。)
この研究に対する考察
研究に参加している25人が歯学部生ということから、実験対象者は10〜20代が多いと考えられます。お若い!!
そのため歯間空隙(歯と歯の間)が狭い方が多く、フロスでも十分に歯間部プラークが除去できるでしょう。
しかし、50〜60代の方となると、歯間空隙(歯と歯の間)も広くなってきます。
その場合は、同じ結果になるとは限らないかもしれません。
歯間空隙(歯と歯の間)が広い場合、フロスよりも、歯間ブラシを使用していただきたいものです。
また、こういった研究結果が出ているからといって、歯ブラシから先に使用している患者様がいても、否定する必要はないと思います。
プラークコントロールが確立されていて、口腔疾患にかかっていなければ、どちらを先に使っていても、なにも問題はないでしょう。
エビデンスでは、フロスが先。ですが、口腔内がきれいであればなぁにも問題ありません。
今回は、よく患者様にフロス(糸ようじ)が先?歯ブラシが先なの?とよく聞かれますので、参考にして頂ければと思います!
論文で言われていることがすべてとは思いませんが、こういったエビデンスを一つの知識として自分の頭の中に入れておくと、いいですよね!あなたも皆にも教えてあげて下さいませ!
以上になります。如何でしたか?
最後までお読み頂きありがとうございます!それでは、また!
参考文献:Mazhari F, Boskabady M, Moeintaghavi A, Habibi A.(2018)「The effect of toothbrushing and flossing sequence on interdental plaque reduction and fluoride retention: A randomized controlled clinical trial.」『Journal of periodontology』 2018 Jul;89(7):824-832 2018 Kenneth S. Kornman
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