虫歯予防のために絶対に知っておくべき5つのこと

予防!予防!予防!

こんにちは。マネジメント歯科衛生士の辻村香恵です。

さて、虫歯予防と一口に言っても、いったいどんなことをすれば良いのか?分かっているようで、分からない。そこで今回は、虫歯予防を語る上で欠かせない5つのことを詳しくお伝えしたいと思います。


【虫歯予防において大切なことを5つ】

1.Dr.Weston Priceに学ぶ、食べ物の大切さ
1939年に初版が発表された、興味深い本があります。著者は、ウェストン・プライス。彼は歯科医師でしたが、世界中を回って、多くの民族の歯と顔つきについて調査をしたことでも有名です。文明が発達してない未開の国や地域の人々は、からだも健康で、虫歯もほとんどなく、歯並びも良かったということが、わかったのです。

原始民族が、すばらしい歯や顎をしている理由は、一体どこにあるのでしょうか?

それは、食べ物にあります。その土地で採れた食べ物を、自然な形で食べていたのです。そこに、精製された小麦や缶詰が入ってきた途端、次の世代から虫歯、歯並びの悪さが目立ってきたという話には驚かされます。本来食べ物というのは、薬に匹敵する力をもっている、ということがわかります。

食べ物は、からだをはじめ、虫歯を予防して健康を保つ上で最も大切なものだといえます。


2.善玉菌と悪玉菌のバランスをとること。

虫歯の原因菌を殺菌すれば良い、というわけではありません。

自然の生き物たちは、バランスの中で生きています。人間の都合の良いように自然を破壊していったらどうなるのか、その答えは明白です。

口の中の見えない菌たちも、同じようにバランスの中で生きています。人間にとっての悪玉菌と善玉菌。腸も同じ。強い殺菌力のあるものを使って原因菌を殺すことだけにとらわれることは、多くの危険性を含んでいます。一時的に悪玉菌を減らすことに成功したとしても、口腔内環境のバランスを崩し、同時に必要だった善玉菌までも殺菌してしまうわけですから・・根本的な解決にはならないことを、ご理解いただけると思います。良い菌を増やすという考えです。

例えば虫歯は、歯が溶けることで穴が開いていきます。これは、お口の中が酸性の状態に傾くことで起きる現象です。逆に中性やアルカリ性の状態になれば、穴が開くことを防ぐことができる、ということになります。次亜塩素酸水をオペに使用したり、含蓄材としてしようするのはアルカリ性だからです。殺菌効果が高いわけです。食べ物が口の中に入れば、酸性になります。食べ物を一日に何度もダラダラと口の中に運ぶ癖を改めることは、口の中を中性に保つ時間を増やし、虫歯予防につながります。

強い薬剤を使うことよりも、口腔内の環境を整えてあげることの方が、先だと思います。

3.唾液をたくさん出すこと。(咀嚼回数、ストレス回避)

唾液には自浄作用があるので、虫歯の原因菌を増加させない環境へと働きかけてくれます。唾液はまた、免疫力アップにも関係しています。癌で何もほとんど食べられない人が、食べられるものを一口ずつ、ドロドロの状態にして自然に飲み込んでしまうほど良く噛んで食べていたら、癌がなくなったという体験談があるほど、唾液には素晴らしい力があります。

唾液の殺菌力、そして唾液の成分による再石灰化。質の良い唾液をたっぷりと出すことで、虫歯を防ぎ、さまざまな病気に対抗できる体づくりができます。そして、アンチエイジングにもなります。なるべく一口食べ物を入れたら、箸を置いてゆっくりと噛んでみましょう。よく噛んで食べることが、大切です。(前にも唾液のパワーについても書きましたのでご覧頂けると分かりやすいかと思います。)

4.オーラルケア・歯磨きの仕方

正しい方法で歯磨きをして、お口の中を清潔に保つことは大切です。歯並び、入っている詰め物、被せ物などの人工物も、人によって様々です。自分の歯の状態を把握しながら、磨き残しのないように、意識しながら歯磨きをすることが必要です。
歯ブラシだけではなく補助道具として、フロス(糸ようじ)や歯間ブラシも同様に毎日、使ってください。
食べかすが溜まりやすい場所、プラークなどの汚れが付きやすい場所、自分の口の中がどのようになっているのか、しっかりと把握しながら、丁寧に歯磨きをしましょう。

5.オーラルケア・フッ素の使い方

虫歯予防=フッ素という常識がありますが、100%正しいとは言えない現実があります。原始民族がフッ素を使っていなくても虫歯がないことをみれば、虫歯予防にフッ素が必要であるということは、必ずしも当てはまらない可能性もあります。

砂糖が入ったものをたくさん食べ続け、一日に何度も間食をし、健康的な食生活や生活習慣を顧みずに、虫歯予防にフッ素を使っているから大丈夫、というわけにはいきません。虫歯になりにくくなる。プラスアルファとして考えて下さい。

虫歯予防において、フッ素やガム、キシリトールなどは有効なのですか?

フッ素は、お茶など自然界に存在するもので十分、という意見もあります。フッ素を過剰に取り入れなくても虫歯にならなかった事実は、世界中にたくさんあるからです。

ガムを噛んで、いつも唾液をたくさん出しているという人もいると思います。確かにガムを噛むことで唾液が出てくるかもしれませんが、ガムに糖分が入っていれば、何のためのガムなのかわからなくなることさえあります。

キシリトール入りの製品も、同じです。有効成分にのみ着眼していると、それを上回る悪影響を忘れてしまいがちになります。質の良い製品を、わかって使用することで、虫歯予防に着実につながっていきます。

【虫歯予防になる食べ物や食べ方に】

1.規則正しい時間に食べること。

一日に口の中に食べ物が入る回数を、意識的になるべく減らすことです。食べ物が口の中に入っている時間が多いほど、虫歯へのリスクは高まります。

2.チーズ、牛乳などの乳製品を摂取すること?

常識的には、牛乳やチーズなどにはカルシウムがたっぷりと含まれているので、健康な骨や歯をつくることに必要だといわれています。しかし世界的な流れをみていると、それに対して異議を唱えている専門家も多くいることは事実です。個人的には、お勧めしません。
海藻類、小魚、野菜、発酵食品など、日本の伝統食は本来、骨や歯をつくり虫歯予防になる食べ物が多いのです。

3.白砂糖を減らす。

最近では、骨や歯をつくるような力のある食べ物、食材を見つけること自体が難しくなってきているようです。このような状況ではむしろ、白砂糖の摂取量を減らすことに注目するべきなのかもしれません。

歯科医院で行われる虫歯予防の方法についてお教え下さい

フッ素塗布

歯科医院では、定期的なフッ素塗布を推奨し、実施しています。就学前のお子さんなどを対象に、無料で行っている自治体もあります。有効といわれているフッ素の濃度を長時間保つことは、歯科医院での塗布だけでは難しいとして、普段からフッ素入りの歯磨き粉などを使うように、一般的には奨励されています。

海外では虫歯予防のために水道水にフッ素を添加している国が多く、それが一番効果の高い虫歯予防方法だと言われています。しかし、WHOが密かに発表しているように、フッ素添加によって虫歯の罹患率に有意差がみられないこと、また、世界的にはその弊害についても徐々に伝えられるようになりました。ある国では、水道水へのフッ素添加を自治体ごとに、段階的に中止し始めています。市がダメなら地域で中止をなど、反対運動とともに、その流れは高まりつつあります。

虫歯菌がつきにくいセラミックにする

金属やプラスチックは虫歯の原因菌が付きやすい材料のため、定期的にやり直しが必要。そしてセラミックは劣化も少なく汚れも付きにくく、やり直しの治療を防ぐことができると説明を受けることがあるようです。

確かに、材料によって付きやすさに差があることは否定できません。また、保険の範囲内でできる材料を使った場合で同じ材料であっても、ツルツルに研磨されたものと、ザラザラのままに仕上げられたものとでは、プラークの付きやすさに違いが生じてきます。

しかし忘れてはいけないのは、天然の歯に勝るものは何一つない、ということです。セラミックであっても、所詮人工物です。人工物がぴったりと、まったく隙間なく歯に密着していることなど、ミクロの世界から考えればあり得ません。虫歯が再発してやり直しの必要性が生じてしまうのは、材料の違いによる原因菌のつきやすさにあると、断定はできません。

矯正治療

矯正治療をして歯並びを良くすれば、虫歯になりにくいと言われます。歯が重なって生えていて、歯磨きをしても磨き残しがどうしてもできやすい場合には、歯並びを良くすれば解決するはずです。

しかし、歯並びが良い人が虫歯が少ないかといえば、必ずしもそうではありません。しかも矯正治療を受けている期間は、装置が口の中に入っていることによって不潔になりやすく、歯磨きがしにくいので、虫歯になりやすい期間でもあります。

また矯正治療によって、歯と歯の間に隙間ができ、食べ物が挟まりやすくなることもあります。デンタルフロスなどを使って歯磨きの仕方を工夫すれば良いのですが、矯正治療の前後で同じような歯磨き、同じような食生活をしていれば、矯正治療を受けたからといって虫歯予防につながるとは、限りません。

唾液検査

唾液検査を実施している歯科医院もあります。この検査によって、次のことがわかります。

唾液の量

一定時間ガムを噛んで、どれだけの量の唾液が出るか、調べます。ドライマウスなどで唾液の量が少ないときには、これで判断できます。分泌される唾液の量は、虫歯のなりやすさに関係しています。

唾液の中和力

試験紙に唾液を垂らして、色の変化で判定します。口の中に食べ物が入ると、酸性になり歯が溶けやすい状態になります。唾液の力によっていかに早く中和させることができるのか、その中和力を判定します。

さらに歯垢を採取して虫歯の原因菌の数を調べ、普段主にどのような食生活をしているのかを調査して指導、プラークがついている状態、つきやすい部位など、総合的に個人に合った虫歯予防の方法を教えてくれます。

以上のように気をつけて頂ければと思います。

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東京医科歯科大学非常勤講師。 マネジメント歯科衛生士先駆者。パイオニア 。口腔内の健康と美は全身の健康と美に繋がっています。 1人でも多くのきれいになりたい方、口腔内の健康と美にお役に立ちますように…♡ 趣味︰読書、三味線、歯、身体を動かすこと、海

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