歯の健康が大切な理由①

噛みあわせが人生を変える!!!

なぜ日本人は世界最長寿国でありながら、歯抜け・寝たきり大国になったのか。歯の大切さを知らない哀れ日本人。

こんにちは。マネジメント歯科衛生士の辻村香恵です。

さて、世界長寿国、日本。超高齢社会に突入している今、目を見開いてご拝見あれ。

現在、日本人の平均寿命は女性が86.41歳で世界1位、男性が79.94歳で世界5位です。ともに過去最高を更新しています。女性の平均寿命に至っては3年連続NO.1で世界でも有数の長寿国だということは私達、日本人の誇りです。 

しかし、こうした嬉しいニュースの裏側にはとても悲しい事実が隠されていることをご存知でしょうか。世界でも有数の長寿国である日本人は、同時に世界でも有数の「歯がない」歯抜け大国という烙印を押されていたのです。

厚生労働省が行なっている調査によると、80歳の日本人の平均残存歯数(残っている歯の数)はたったの6.8本。これは、アメリカの85歳15.8本、スウェーデンの75歳19.5本(いずれもサンスター調べ)と比較しても非常に少ない数字となっています。



予防を知らない日本人だけが苦しい余生を送っている。

歯医者には痛くなってから行く。むし歯があるからいくんでしょ?

当たり前のように私達は、歯は痛くなってから行くものだと考えています。

そして、

私達日本人にとって、歳をとることと歯がなくなっていくことは当然のように比例していると考えています。(そりゃー加齢にはかないません。)でも、歯科医で入れ歯の人って、何人いるんでしょうか。あまりいないはず。
それは、歯磨きの大切さを知っているから。どこを磨き、歯ブラシだけでは汚れを落とすことが不可能だと知っているから、当然の如く、糸ようじ(フロス)歯間ブラシ、含蓄剤を使用しています。


老人には歯がないことが常識となっている日本は世界から見ると異常な国

 
歯がないことで引き起こされる弊害は入れ歯が合う合わないという表面上の問題だけではなく、人生の最後をいかに幸福に終えるかという「生き方(クオリティ オブ ライフ)」の問題に直結します。日本歯科医師会主催の口腔保険シンポジウムで行われた講演によると、歯がある人、ない人で人生の終末に大きな差が出ると述べています。

健康寿命≠平均寿命

健康寿命とは介護を必要としない自立した老人のことを言います。この健康寿命と平均寿命はイコールではないのです。

健康寿命=平均寿命-非自立時間

非自立時間とは介護、寝たきり、痴呆の老人の方の余命をいいます。
男性では約、9年。女性では約13年。この非自立時間があると言われています。

因みに、日本は2007年から超高齢社会に突入し、2013年の統計では高齢者率(全人口に対する65歳人口比)は25.1%に達しています。また、要介護者数は、2000年(約190万人)から2013年(約440万人)の13年間で約250万人増加しています。

歯がなくなると、具体的には

歯がなくなることで全身疾患(脳梗塞・心筋梗塞等)のリスクが上がり、短命になる
歯がなくなることで消化器系の癌の発症率が上がる。
歯がなくなることと認知症は繋がっている。
歯がなくなることで誤嚥性肺炎(90歳以上の場合は癌よりも死亡率が高いというデータも)のリスクがあがる。
つまり、歯がないことで健康に生きていられる可能性が低くなり、死のリスクが高まるということが近年明らかにされてきているのです。また、歯がないことは死のリスクを高めるだけではなく、日本が抱える大きな問題、“寝たきり”と密接に関わっているのです。

 

歯無し大国である日本は寝たきり大国でもある

厚労省が2007年に発表しているデータによれば日本人が寝たきりになる原因の1位は脳血管疾患であり、2位は認知症です。200万人いると言われている寝たきり老人の半分がこのいずれかを原因とし、寝たきりをスタートさせているのです。つまり、歯がないことで引き起こされる疾患と寝たきりの原因となる疾患は同じなのです。脳血管疾患や認知症を患い、死に至るその日まで、そのまま寝たきりになってしまうという典型的な日本人の終末期のスタートラインに「歯を失う」という原因があるのです。

しかし、死のリスクや寝たきりになるリスクといった事実がわかっているにも関わらず、日本人は歯について無関心を貫いています。その根底には日本人と歯医者さんとの距離間の問題が根付いています。

何度も言うように、痛くなってから歯医者に行くのではなく、痛くなる前の受診が必要なのです。

え?痛くなる前に何するの?
って思ったあなた。

それは、歯磨き指導と歯のクリーニングです。
歯科医院の頑張りだけでは追いつかない。皆さんの意識改革が求められています。

日本の置かれた状況を変化させるべく、歯科医院は少しずつ変化してきています。しかし、歯科医院側の頑張りだけでは限界があります。私達一人ひとりが歯医者さんに持っている偏見をなくしていく努力も大切です。自分の意識から変えていくことで、自分の歯と将来を守ることは可能なはずです。歯医者を怖がるのはやめて、トラブルが起こる前に定期的に訪れる習慣をつけるのはいかがでしょうか。80歳の自分が健康で、美味しく食べ、最後まで楽しく笑っていられるための、ちょっとした投資です。定期健診の習慣を持つだけでその後の人生が大きく変わります。

歯医者さんに「検診をお願いしたい」と予約すれば歯科医院側も喜んで応じます。

QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を。
歯のクリーニングを。

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東京医科歯科大学非常勤講師。 マネジメント歯科衛生士先駆者。パイオニア 。口腔内の健康と美は全身の健康と美に繋がっています。 1人でも多くのきれいになりたい方、口腔内の健康と美にお役に立ちますように…♡ 趣味︰読書、三味線、歯、身体を動かすこと、海

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